授業モードは、先生の地図画面をクラスの生徒全員にリアルタイム配信する機能です。教室・オンライン授業・ハイブリッド授業のどれでも、先生が地図を動かすと生徒の画面に即座に反映されます。
こんな授業に使えます
- 一斉表示 — 「いまここを見てください」で全員の画面が強制的に同じ場所に移動
- レイヤー切替の実演 — 用途地域・洪水ハザード・地番図などを重ねて見せる流れを共有
- 3D地形の講義 — 傾斜・起伏の解説と同時に生徒の画面も3D化
- フィールドワーク前の下見 — 現地の俯瞰を共有しながら担当エリアを割り振り
- 地図作成の実習 — 自由操作モードに切り替えて、生徒それぞれに作業させる
2つの同期モード
完全同期(生徒は操作不可・先生と同じ画面)と 自由操作(生徒がそれぞれ地図を触れる)を、授業中にいつでも切り替えできます。「講義パート」と「演習パート」を行き来する自然な設計です。
授業モードを使うには、学校プランの基本セットアップが完了している必要があります。
学校プランの教員アカウントでログイン
教員ダッシュボードが開けること。
クラスが1つ以上作成されている
「クラス」タブで配信対象となるクラスを先に作っておきます。
クラスに生徒が登録されている
「生徒一括登録」タブから生徒を登録。0人のクラスでも配信は始められますが、当然誰にも届きません。
生徒がOH3にログインしている
生徒が配布された仮パスワードでOH3にログインしていれば、授業開始と同時に自動で画面が同期されます。
初めての授業前の確認
初回は授業の前に「教員タブ」「クラスタブ」「生徒一覧タブ」で体制が整っているかチェック。特に仮パスワードを生徒に配布し、事前ログインを済ませてもらうとスムーズです。詳しくは 教員ダッシュボード ガイド を参照。
教員ダッシュボード内の「授業モード」タブから利用します。
教員ダッシュボードを開く
左側のアイコンボタン群にある青い学校アイコン(卒業帽)をクリック。
「授業モード」タブを選択
タブ一覧の右端、mdi-broadcast(電波アイコン)が目印です。
授業モードタブの画面は、上から順に 「対象クラス」「同期設定」「授業開始」 の3ブロックです。
対象クラスを選択
プルダウンから配信先のクラスを選びます。選択後、そのクラスの参加生徒数が表示されます。
同期設定を決める
「画面を完全同期」スイッチで、最初からロックするか自由操作にするかを選びます。授業中に切り替え可能なので最初はどちらでも構いません(既定はON = 完全同期)。
地図を授業開始時の状態にしておく
開始ボタンを押した瞬間の地図状態(中心・ズーム・レイヤー)が生徒に一斉反映されます。事前に見せたい場所まで動かしておくと良いです。
「授業開始」ボタンをクリック
🚀 アイコンの青い大きなボタンです。押した瞬間に生徒の画面にバナーが表示されます。
授業中の変更はリアルタイム反映
授業開始後、先生が地図を動かすたびにその内容が自動でFirestoreに送信され、生徒の画面が追随します。レイヤー切替も同じです(連続切替は300ms間隔でまとめて送信されます)。
同期設定のスイッチで、生徒側の挙動が大きく変わります。
🔒 完全同期(ロック)
生徒: 操作不可
ドラッグ・ズーム・回転・キーボード操作がすべて無効。先生の画面がそのまま映し出される
使う場面: 講義の説明中、教材の提示、結論の共有
🔓 自由操作
生徒: 操作可能
生徒が自分で地図を動かせる。先生の変更は反映されない
使う場面: 演習・実習・調査・個別ワーク
授業中に自在に切り替え
授業モードタブの「画面を完全同期」スイッチで、いつでも切り替えできます。切り替えた瞬間に全員の画面に反映されます。
- 完全同期 → 自由操作: 生徒のロックが即解除され、自分の画面を触れるようになります
- 自由操作 → 完全同期: その瞬間の先生の画面に全員の画面が強制リセットされます
完全同期中の注意
生徒は本当に何も操作できません。位置情報の確認・メモ・計測などの操作もすべて封じられます。ロックする時間はなるべく短く、必要な説明が終わったら早めに自由操作へ戻しましょう。
先生から生徒へ配信される項目は以下の通りです。
同期されないもの
以下は先生のローカル環境でのみ動作し、生徒には反映されません。
- ポップアップ・ツールチップなどの一時UI
- 検索結果・アドレス検索の入力内容
- マイルーム・フィールドノート・スケッチなど個人データ
- 画面の拡大率(ブラウザ側のズーム)・スクロール位置
- 開いているダイアログ・サイドバーの状態
同期のしくみ
Firestore(Firebaseのリアルタイムデータベース)経由で配信しています。先生の地図が動くと即送信、生徒側は受信して即座にジャンプ適用。レイヤー切替は連続変更をまとめるため300msの遅延を入れています(パタパタ動きを防ぐため)。
授業開始と同時に、生徒の画面の上部中央にフローティングバナーが表示されます。授業中はずっと出続け、同期設定に応じて色が変わります。
完全同期中のバナー
🏫 授業中: 2025年度 環境学入門
🔒 先生と同期中(操作不可)
赤色+ゆっくり点滅。生徒には「いま操作できない状態」が直感的に伝わります。
自由操作中のバナー
🏫 授業中: 2025年度 環境学入門
🔓 自由操作
青色・点滅なし。授業中であることは分かるが、自分で地図を触れる状態。
授業終了後
先生が「授業終了」を押すと、バナーは即座に消え、生徒は通常利用に戻ります。
生徒に事前案内しておくと良いこと
- 「赤いバナー=動かせない/青いバナー=自分で触れる」を説明
- OH3にログインした状態で授業開始を待つこと
- 授業途中でブラウザをリロードしても自動で再接続されること
完全同期モードは、ONにしてから30分で自動的にロックが解除されます。先生がロック解除を忘れたまま授業が進んでしまい、生徒がずっと操作できない状況を防ぐための安全機構です。
タイムアウト時の挙動
- 同期ON時刻(
syncEnabledAt)から30分経過すると、生徒側で自動的に同期OFFとして扱われる
- 生徒の地図操作が再び有効化される
- バナーは青(自由操作)に切り替わる
- 先生側のスイッチはONのまま表示されるが、実質OFF状態
タイムアウトのリセット方法
先生が同期スイッチをOFF→ONに切り替え直すと、タイマーがリセットされ、また30分間のロックが有効になります。
長時間授業のコツ
90分授業などで「講義→演習→講義→まとめ」のようにロック/解除を繰り返す運用が想定通りです。連続90分のロックは制限ではなく設計上避けるべき使い方だと考えてください。途中で自由操作の時間を挟む方が、生徒の学習効果も高まります。
授業開始後、教員ダッシュボードのウィンドウを閉じても配信は継続します。ダッシュボードは管理画面であって、配信自体はバックグラウンドで動いているためです。
配信中の目印: 赤パルス点滅のFAB
授業配信中は、左側の学校アイコン(FAB)が赤くパルス点滅します。ツールチップも通常時の「教員ダッシュボード」から 「授業配信中(クリックでダッシュボード)」 に変わります。
- 地図を広く使いたい時: ダッシュボードを閉じて授業を進められる
- 設定を変えたい時: FABをクリックで即ダッシュボードに戻る
- 配信中かどうか不安な時: FABの色で一目で判断できる
配信の停止し忘れに注意
ダッシュボードを閉じただけでは配信は止まりません。授業終了時は必ず「授業終了」ボタンを押すか、再度FABからダッシュボードを開いて停止してください。FABが赤パルスのままなら配信中です。
授業モードタブの赤い「授業終了」ボタンをクリックで配信を停止します。
終了時の動作
- 生徒側のバナーが即座に消える
- 生徒の地図操作が完全に解放される
- 先生側のFABが通常の青色に戻る
- Firestore上の授業データは残り、
active: false に更新(履歴として保持)
同じクラスで再開する時
次回の授業でも同じクラスに対してまた「授業開始」を押すだけです。授業開始時点の地図状態が新しく配信されます。
シナリオ1: 用途地域の解説(講義)
- 完全同期ONで授業開始
- 対象地域に地図を移動、用途地域レイヤーをON
- 地図を動かしながら「ここは商業地域」「ここは第一種住居」と解説
- 解説完了後、自由操作に切り替え
- 「自分の地元の用途地域も見てみて」と演習
シナリオ2: 防災リスク調査(演習)
- 完全同期ONで授業開始、洪水ハザードマップを表示
- 使い方・見方を一通り解説
- 自由操作に切り替え、担当エリアを各生徒に割り当て
- 生徒がそれぞれ調査・スケッチ・メモ作成
- 発表時のみ再度完全同期ON、発表者の画面を全員で確認
シナリオ3: 地番図の読み方実習
- 完全同期ONで授業開始、地番図レイヤーをON
- 筆界線の読み方、地番の意味を地図上で指して解説
- 3D地形をONにして傾斜との関係を見せる
- 自由操作に切り替え、生徒が自分で近隣の地番を調査
シナリオ4: オンライン授業での一斉表示
- Zoom・Teams等でオンライン授業を開始
- OH3で授業モード完全同期ONで開始
- 生徒は自分のブラウザでOH3にログイン → 先生の画面が各自の端末に映る
- 画面共有より解像度が高く、自分の端末で見られるので文字も鮮明
Q. 授業モード中、生徒は地図を自分で操作できますか?
同期設定によって変わります。完全同期モードでは生徒の地図操作(ドラッグ・ズーム・回転・キーボード)がすべて無効化され、先生の画面がそのまま表示されます。自由操作モードでは生徒が自由に地図を触れます。授業中に2モードを切り替えることもできます。
Q. 同期は何が反映されますか?
地図の中心座標・ズーム・回転・ピッチ・選択中のレイヤー・3D地形のON/OFF・ドロー(描画)内容が生徒の画面に自動反映されます。ポップアップ・検索結果・マイルームなど個人データ、ダイアログの開閉状態は同期されません。
Q. 授業を開始したまま、ダッシュボードのウィンドウを閉じても大丈夫?
はい。ダッシュボードを閉じても配信は継続します。授業配信中は左側の学校アイコンが赤くパルス点滅して一目で分かるようになっています。アイコンをクリックすればいつでもダッシュボードに戻れます。
Q. 1つのクラスに対して同時に複数の授業を配信できますか?
できません。1クラスにつき同時に1つの授業が配信されます。共同担当の複数教員が同時に同じクラスを配信しようとすると、後から開始した側の内容で上書きされます。
Q. 違うクラス同士なら同時に配信できますか?
基本的にはできません(同時複数配信は想定されていません)。授業は1人の先生が1クラスに対して行う前提です。複数教員が別々のクラスに同時に配信する場合は、それぞれのアカウントで別々にログイン・操作する必要があります。
Q. 授業モード中、先生の個人ドロー(描画)も生徒に見えますか?
はい、先生が描いたライン・ポリゴン・ポイント・フリーハンドの内容はすべて生徒の画面に反映されます。生徒の画面には半透明(30%)で重ねて表示され、完了後に元の不透明度に戻る挙動です。授業中にホワイトボード的に使えます。
Q. 生徒が自分でドローを描いた内容は?
自由操作モード中に生徒が描いた内容は生徒のローカル画面のみに残り、先生や他の生徒には見えません。演習成果を共有したい時は、マイルームで保存して提出する運用を想定しています。
Q. 授業終了を押し忘れたらどうなる?
配信は継続したままになります(先生の地図操作が生徒に反映され続ける)。次回ログイン時に授業モードタブを開くと「授業配信中」の表示が残っているので、「授業終了」で明示的に停止してください。また、完全同期は30分で自動タイムアウトするため、生徒が永遠にロックされる事態は起きません。
Q. ブラウザを閉じるとどうなる?
先生側: 地図の変更は送信されなくなりますが、授業自体(Firestoreの lesson ドキュメント)は active のまま残ります。再ログインすれば配信を再開できます。生徒側: バナーは消え、通常状態に戻ります。再度OH3を開いて授業が続いていれば再接続されます。
Q. デバッグ情報パネルは何?
授業配信中、下部の「配信状態」パネルを展開すると現在のlesson状態がJSON形式で確認できます。問題があった時の調査用で、通常の授業運営では展開する必要はありません。
Q. インターネット接続が不安定だと?
Firestore経由の配信なので、先生・生徒のどちらが一時的に切断されても、復帰後に自動で最新状態に再同期されます。ただし切断中の中間状態は生徒に届かないため、重要な操作の前に「ここ見てください」と声かけを挟むと安心です。
授業モードを試してみる
ログインして教員ダッシュボード → 授業モードタブから
OH3を開く