OH3の測位機能は、スマートフォンのGPS/GNSSを使って座標を取得し、ジョブ単位で管理する機能です。杭打ちナビゲーションやトラバース計算もブラウザ上で完結します。
3つのモード
- 測位モード — 点名を付けてGPS座標を取得。複数回の観測で平均座標を算出
- 杭打ちモード — 目標座標への誘導。リアルタイムに距離と方位を表示
- トラバース計算 — 方位角と距離から座標を計算。閉合差とボウディッチ補正に対応
測位モードを開く
画面左上の測位アイコンのドロップダウンリストから「測位」を選択します。ジョブ管理画面が表示されます。
点名と測位条件を設定
点名(必須)を入力し、測位回数(1〜86,400回)と観測間隔(1〜60秒)を設定します。アンテナ高も指定可能です。
測位を実行
「測位」ボタンをタップすると、設定回数のGPS測位が開始されます。各回の精度・座標・品質がリアルタイムに表示されます。
結果を確認・保存
全回の測位が完了すると、平均座標と較差(ばらつき)が表示されます。「保存」で確定し、写真やメモを添付できます。
観測結果の見方
- 平均座標 — 全測位の平均X, Y, H(標高)
- 較差 — 測位値の最大-最小のばらつき。色分け表示:
- 青: 3cm未満(高精度)
- 橙: 3〜6cm
- 赤: 6cm超(再測位推奨)
- 標高 — ジオイド補正済みの標高(楕円体高からの変換)
RTKフィルタリング
RTK級の測位を検出すると、直後5秒間の低精度測位を自動的に除外します。RTK Fix→Float遷移時のノイズを抑制し、より正確な平均値を得られます。
測位データはジョブ単位で管理されます。ジョブリストは測量プロジェクトを体系的に管理するためのFloatingWindowで、現場や案件ごとにジョブを作成し、各ジョブ内の測位ポイントを一元管理できます。
ジョブリストの2つの画面
ジョブリストにはジョブ一覧画面とポイント一覧画面の2つの画面があります。
ジョブの操作
ジョブでできること
- ジョブ作成 — テキストフィールドにジョブ名(現場名・案件名など)を入力して作成
- ジョブ一覧 — 過去のジョブを一覧表示。各ジョブの未測位ポイント数を赤バッジで確認
- ジョブ編集 — 縦三点メニューからジョブ名とメモを編集
- ジョブ名インライン編集 — ポイント一覧画面のヘッダーでジョブ名を直接クリックして編集
- ジョブ削除 — ×ボタンで削除(確認ダイアログ付き)
- CSV/SIMA出力 — ジョブ内の全測点を一括エクスポート
ジョブリストのツールバー
測点(ポイント)の管理
- 各測点に点名・住所・メモを設定可能(縦三点メニューから編集)
- 写真・動画の添付 — カメラで撮影した現場写真を測点に紐づけ。サムネイル表示とプレビュー機能付き
- 地図上に赤いマーカーと点名ラベルで表示
- ポイント一覧でポイントをクリックすると地図がその位置にパン
- 点名の重複時は自動で連番付与(G1, G2, ...)
- ポイントの削除は🗑アイコンから(確認ダイアログ付き)
測位ダイアログ
ジョブリストの「測位」ボタンから測位ダイアログを開きます。以下の設定項目があります。
測位のフェーズ
測位は3つのフェーズで進行します。待機(idle) → 観測中(observing):指定回数のGPS取得を繰り返し → 結果確認(await):平均座標と較差を確認し保存または破棄を選択。
データはクラウドに自動保存
測位データはクラウドに保存されるため、ブラウザを閉じてもデータは消えません。ログインすればどのデバイスからでもアクセスできます。
杭打ちモードは、事前に設定した座標地点へGPSナビゲーションで誘導する機能です。目標地点までの距離と方位をリアルタイムに表示します。
杭打ちの流れ
- 目標座標を設定(地図クリック、座標入力、または既存の頂点にスナップ)
- GPSの追跡が開始され、現在位置が緑のマーカーで表示される
- 目標地点まで距離(cm/m/km)と方位角がリアルタイム更新
- 距離線が現在位置と目標点を結んで表示
- 目標に十分近づいたら杭を打設
コンパスモード
コンパス連動をONにすると、デバイスの向きに合わせて地図が回転するヘディングアップ表示になります。進行方向が常に画面上方向になるため、直感的にナビゲーションできます。
トラバース計算は、既知の基点から方位角と距離を使って測点の座標を順次計算する手法です。
入力項目
- 基点A(必須) — 出発点の座標(WGS84またはXY座標)
- 検証終点B(任意) — 閉合トラバースの場合の帰着点
- 測線テーブル — 各測線の方位角(0〜360度)と距離(m)
計算機能
座標系
- WGS84 — 緯度経度での入出力
- 公共座標系(第1系〜第19系) — X(北方向), Y(東方向)での入出力
- 地図の中心位置から自動で座標系を推定
インポート・エクスポート
- CSVインポート — 方位角・距離のテーブルをCSVから読み込み
- CSVエクスポート — 計算結果をCSVで保存
CSV出力
ジョブの全測点データをUTF-8(BOM付き)のCSVでエクスポートします。Excelで直接開けます。
CSVの列
- 点名、X座標(北)、Y座標(東)、標高、アンテナ高
- 測位回数、経度、緯度、座標系、住所
- ノート、メディア種別、メディアパス、測位日時
SIMA出力
日本の測量データ交換標準フォーマットでエクスポートします。測量CADや他の測量ソフトに取り込めます。
追跡ログの出力
現在地追跡モードで記録したGPSトラックもCSV/SIMAでエクスポートできます。移動経路の記録や作業軌跡の管理に利用できます。
📏 測量の現場
- RTK対応スマートフォンで基準点の概略座標を取得
- 複数回観測の平均値で精度向上
- SIMA出力で測量CADに直接取り込み
🔨 杭打ち作業
- 設計座標をインポートして杭打ちナビゲーション
- リアルタイムの距離・方位表示で正確な位置決め
- 打設位置を写真付きで記録
🏗️ 建設・インフラ
- 現場の座標取得と写真記録を一体化
- トラバース計算で路線の座標を現場で計算
- 作業軌跡の追跡ログで施工範囲を記録
🌿 フィールドワーク
- 調査地点の座標と写真をジョブで一括管理
- CSVエクスポートで後日のGIS分析に活用
- 複数日にまたがる調査をジョブで整理
🏫 教育
- 測量実習でのGPS測位体験
- トラバース計算の理解と実践
- 閉合差とボウディッチ補正の学習
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画面左上の測位アイコンから開始できます
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