方位距離エディタは、測量業務におけるトラバース計算をブラウザ上で行えるツールです。起点(既知点A)から方位角・距離を順次入力すると、座標列を自動計算して地図上にリアルタイム描画します。
閉合トラバースの場合は終点(既知点B)を入力することで閉合差を確認でき、ボーディッチ補正(閉合調整)にも対応しています。
主な特徴
- リアルタイム描画 — 方位角・距離を入力するたびに地図上に即座に反映
- ボーディッチ補正 — 閉合差を各辺の距離比率で自動按分配分
- 多座標系対応 — WGS84、公共座標系1〜19系、日本測地系に対応
- CSV入出力 — 既知点・区間データの保存と復元
- Map中心取得 — 現在の地図中心座標をワンクリックで入力
- 閉合差表示 — ΔE, ΔN, |f| をリアルタイム計算
方位距離エディタは右クリックメニューから起動します。FloatingWindow形式で表示され、地図と同時に操作できます。
既知点Aの座標を入力
起点となる既知点Aの経度・緯度(またはX・Y座標)を入力します。「Map中心」ボタンをクリックすると、現在のマップ中心の座標を自動取得できます。
方位角と距離を入力して「追加」
方位角[°]と距離[m]を入力し、「追加」ボタンで区間を追加します。備考欄に自由テキストを記入できます。
地図上にリアルタイム描画
追加した区間が地図上に即座にライン描画されます。各測点の位置を視覚的に確認しながら作業を進められます。
既知点Bを入力して閉合差確認(任意)
閉合トラバースの場合は既知点Bの座標を入力すると、閉合差(ΔE, ΔN, |f|)が自動計算されます。ボーディッチ補正も適用可能です。
起動方法
地図上で右クリック → コンテキストメニューから「方位距離エディタ」を選択してください。FloatingWindow形式で表示されるので、ドラッグして好きな位置に配置できます。
トラバース計算の基準となる既知点A(起点)と、閉合差検証用の既知点B(終点)を入力します。
「Map中心」ボタン
「Map中心」ボタンをクリックすると、現在の地図表示の中心座標を自動で取得して入力欄に反映します。地図を目的の場所に合わせてからボタンを押すだけで座標入力が完了します。
座標系の自動判定
入力された座標値からWGS84(経緯度)か公共座標系(平面直角座標)かを自動判定します。経度・緯度の範囲であればWGS84、大きな数値であれば公共座標系として処理されます。
各区間の方位角と距離を入力して測線を追加していきます。
方位角の定義
編集操作
- 削除 — 各区間の削除ボタンで個別に削除
- 元に戻す — 直前の操作を取り消し
方位角の入力範囲
方位角は0°〜360°の範囲で入力してください。真北が0°(または360°)で、時計回りに角度が増加します。
ボーディッチ補正(Bowditch法)は、閉合トラバースの閉合差を各辺の距離比率に応じて按分配分する補正方法です。
使い方
- 既知点A(起点)と既知点B(終点)の両方を入力する
- すべての区間(方位角・距離)を入力する
- 閉合差(ΔE, ΔN, |f|)が自動的に計算・表示される
- ボーディッチ補正を適用すると、各測点の座標が補正される
ボーディッチ補正の仕組み
閉合差(計算終点と既知点Bの差)を、各区間の距離が全体距離に占める比率で按分します。距離が長い区間ほど大きな補正量が配分されます。これにより測量誤差が合理的に分散され、より精度の高い座標が得られます。
閉合差の表示項目
方位距離エディタは複数の座標系に対応しており、測量現場の座標系に合わせた計算が可能です。
proj4ライブラリによる座標変換
座標変換にはproj4jsライブラリを使用しています。WGS84と各公共座標系間の変換を高精度に行い、地図上の描画と座標計算の整合性を保ちます。
座標系の選び方
日本国内の測量業務では、対象地域に応じた公共座標系(第1系〜第19系)を選択してください。GPSで取得した座標をそのまま使う場合はWGS84を選択します。
方位距離エディタのデータをCSVファイルとして保存・復元できます。
CSV出力
現在の既知点と区間データをCSVファイルとしてダウンロードします。Excelや他の測量ソフトで開くことができます。
CSV取込
CSVファイルから既知点の座標と区間(方位角・距離)を読み込み、エディタに復元します。前回の作業の続きや、他のツールで作成したデータの取り込みに便利です。
CSVフォーマット
データの再利用
CSV出力したファイルはそのままCSV取込で復元できます。測量データのバックアップや、同じトラバースルートの再検証に活用してください。
現場トラバース測量の検算
現場で観測した方位角・距離をその場で入力し、地図上で測量結果を即座に確認できます。閉合差の大きさから再測の要否を判断でき、作業効率が向上します。
設計座標の地図上確認
設計図面の座標データを方位距離エディタに入力し、実際の地図上での位置関係を視覚的に確認できます。設計ミスの早期発見に役立ちます。
境界確認作業の補助
境界確認作業で、既存の測量成果(方位角・距離)を入力して地図上に重ねることで、現地との整合性を確認できます。
測量データの可視化
手計算や表計算ソフトで管理していたトラバースデータを、地図上に可視化して共有できます。CSV入出力を活用すれば、データの受け渡しも容易です。
方位距離エディタを使ってみましょう
右クリックメニュー → 方位距離エディタ
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